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ざっくり紹介
この作品、一言で言うなら「無言の招待状」みたいな空気感なんですよね。絵柄は…ああ、うまく説明するのが難しいんだけど、例えば「雨上がりのコンビニの駐車場」とか「夜行列車の空いてる車両」みたいな、どこか寂びたけど妙に落ち着く情景を、色数を抑えて描いてる感じ。派手さはゼロに等しいんだけど、線の太さやスクリーントーンの使い方が絶妙で、じーっと見てると画面の向こうの湿度や温度まで伝わってくるような…。テンポはめちゃくちゃゆっくりで、コマ割りも大胆。会話がほとんどないページが続いたかと思うと、急に「あ、今の、すごい大事な一言だった」みたいなセリフがポツンと出てきたり。だから「ストーリーをガツガツ追いたい!」って人には向かないかも。むしろ、流れてくる空気を「受け止める」とか「一緒に時間を過ごす」感覚に近い。刺さるポイントは、その「間」の作り方にあるんだよね。主人公が何かを思い出して俯くシーンで、次のコマがずっと同じアングルのままで、ただ背景の時計の針だけが動いてたり…。そういう「何も起きていない時間」の描写に、こっちの記憶や感情がふわっと重なってくるのが、この作品の最大の魅力だと思う。
具体的にどんな人に刺さるかって言うと…。
例えばさ、「映画館で本編が始まる前の、予告も何も流れてない真っ暗な瞬間がなぜか好き」って人。あの、何が始まるかわからない、少し緊張するあの隙間時間を愛してる人には、たまらないんじゃないかな。
あと、音楽で例えるなら、環境音楽とかドローンみたいな、メロディより「響き」や「余韻」を聴くタイプの人。この作品、ストーリーというより「情緒」や「ムード」をコマに閉じ込めてるから、そういう感覚で接する人にめちゃくちゃハマる気がする。
あとは…うん、思い当たる節がある人かも。作品の中には、明確に「ああ、これはあの時のアレだ」とは説明されないんだけど、どこか懐かしい匂いがする情景や、かつて自分が抱えた、言葉にできなかったもやもやした感情の「断片」が散りばめられてる。だから、「昔、駅のホームで見知らぬ人と一瞬目が合って、なぜかずっと覚えてる」みたいな、取るに足らないけど心に引っかかってる記憶を持ってる人には、静かにグサグサ来るかもしれない。
ただ、もちろん合わない人もいるよね。それは当然だし、それでいいと思う。
もしあなたが「え、で、結局これって何が言いたいの?ゴールは?」って、物語にはっきりした起承転結やメッセージを求めるタイプなら、ちょっと物足りなさを感じるかも。だって、この作品は「結論」を渡してくれるんじゃなくて、「そういう気分もあるよね」って共感の場所を用意してくれるようなものだから。あと、テンポが本当にゆっくりなので、ページをパラパラめくって「早く早く!」って感じで読むと、絶対に何も得られない(笑)。コーヒーを淹れて、ちょっと腰を落ち着けて…みたいな、自分側にも少し余裕が必要な作品だと思う。
だからまとめると、『cid=d_730119』は、明確な答えのない、小さな感情の考古学みたいな作品。勧める側としてはちょっとドキドキするけど…もし、今日少しだけ時間があって、騒がしい日常からちょっと離れて、自分の中の静かな波の音を聴いてみたい気分なら、ぜひ手に取ってみてほしい。もしかしたら、あなたの中の、ある数字の羅列(=記憶や感情)が、そっと呼び起こされるかもしれないから。


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