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ざっくり紹介
いや、本当に。ネットの海を漂流してたら、ふと現れたんだよね。タイトルは『cid=d_725087』…うん、僕も最初「これファイル名かよ」ってツッコミ入れたよ。作者もサークルも、いわゆる「不明」っていう、もう完全に謎の物体。発売日? あらすじ? そんな便利なものは最初から存在しない。まるで、誰かが宇宙の彼方からポトッと落としてった、でっかい文芸的な隕石みたいな作品なんだ。
だからこそ逆に、すごく興味を惹かれたんだよね。予備知識ゼロで、何の前情報もなく飛び込むって、ちょっとした冒険じゃない? 表紙もなければ、宣伝文句もない。ただ「これを見よ」とだけ言われているような、無言の圧力みたいなものがあって。で、僕はその誘いに乗っちゃったわけ。
で、中身なんだけど…これがね、一言で言うと「空気感が全て」な作品なんだ。
絵柄は…うーん、これがまた説明が難しい。すごくクリーンで、無駄な線が一本もないっていうか。でも、どこか温かみがあって、キャラクターのちょっとした仕草や、背景の小さなディテールに、作者の「見てほしい」っていう気持ちがにじみ出てる感じ。テンポは、疾走感があるわけじゃないんだけど、ゆったりとした時間の流れの中に、ふと核心をつくようなシーンが差し込まれてくる。まるで、静かな湖面に小石を投げた時にできる、輪がじわーっと広がっていくような。その「じわっ」とした感覚が、じんわりと胸に響いてくるんだ。
刺さりポイントで言うと、まず間違いなく「余白の楽しみ方」が上手い人に刺さると思う。全部を言葉や絵で埋め尽くさないで、読む人に想像を委ねる部分がすごく多い。キャラクターのセリフとセリフの間の沈黙が、逆に雄弁に語っていたり。次のコマに何が描かれているかじゃなくて、そのコマとコマの「間」に何が起きているかを考えちゃうような、そんな体験だ。あと、色の使い方も秀逸で、場面の感情を、派手じゃないけど確実に彩っている。ほんのりとした夕焼け色が、なんとも言えない切なさを運んでくるんだよね。
具体的にどんな人にハマるか、友達を思い浮かべながら考えてみたよ。
例えば、あの子。映画を見た後、カフェで「あのシーン、実はああいう意味だったんじゃない?」って、目をキラキラさせながら30分も語り続けるタイプの子。この作品は、そういう「自分なりの解釈を考えるのが楽しい」って人に最高の土壌を提供してくれる。ネタバレできないから詳しくは言えないけど、読んだ後、きっと「私はこう思う」「あの場面はああだったんだ」って誰かと話したくなる、そんな種がたくさん散りばめられている。
それから、日常の小さな「違和感」や「美しさ」にふと足を止めてしまう人。通学路のコンクリートの隙間から生えている草花を見て、「よくここで生きてるな」って感心しちゃうような。この作品は、そういう普段は見過ごされがちな瞬間を、そっとスポットライトで照らし出して、特別なものに変えてくれる魔法があるんだ。
もちろん、合わない人もいるとは思うんだ。それは当然だよね。
もしあなたが、「ストーリーがガンガン進展する王道展開がいい!」「キャラクターの関係性が明確に、早く描かれないとモヤモヤする」っていうタイプなら、少し物足りなさを感じるかもしれない。ここには、明確な悪役もいなければ、ドラマチックな大事件が起きるわけでもない。どちらかというと、静かな水の流れを、ただただ眺めているような時間が続く。それを「退屈」と感じるか、「心地よい」と感じるか。あと、先にも言った通り、全てが説明されないので、「結局なんだったの?」と消化不良になる可能性もある。答えは用意されていなくて、自分で見つけに行く、あるいは見つけずにその余韻に浸る、そういう種類の作品なんだ。
でもさ、もし少しでも「ちょっと気になるかも…」って思ったなら、絶対に一度、その目で確かめてみてほしい。
だって、これはもう、正真正銘の“掘り出し物”だと思うから。名前も顔もない作者からの、無償の、それでいて確かな手触りのある贈り物みたいなものだ。評価もレビューも、誰の感想にも邪魔されず、純粋に自分と作品だけが向き合える、貴重な体験になるはずだよ。
要するに、君に勧めたい。この謎の隕石『cid=d_725087』を、自分の手で拾いに行こうよ。何かが見つかるかは、拾ってみなきゃわからない。それが、たとえ何かの答えじゃなくても、ただきれいな石ころだったとしても、きっとその出会いは君の引き出しを一つ、豊かにしてくれると思うんだ。



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