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ざっくり紹介
私が最初にこの作品(仮に『cid=d_728786』って呼ぼう、だってそれしか手がかりないんだもん)に出会ったのは、深夜のネットの海をふらふら漂ってた時だったんだ。なんか無機質なIDがタイトルって、すごくよそよそしいでしょ? 「あ、これいわゆる“やってみた”系の、ほぼ個人制作っぽいやつかな…?」って軽い気持ちで開いたら、これが大間違い。最初の数ページで、こちらのテンションをまったく無視したペースで世界が広がっていくんだ。絵柄は…うーん、すごく“手作り”って感じがする。パッと見はプロの商業誌みたいなポリッシュ感はないんだけど、その分、線に勢いがあって、キャラクターのちょっとした表情の歪みとか、背景のちょっと雑な部分に逆に愛嬌があるっていうか。まるで、親友がこっそり見せてくれた落書きノートの、一番輝いてるページをずっと見てるような気分になるんだ。
テンポがまた独特で、シリアスかと思えば次のコマでふわっとした日常が挿入されたり、逆にのんびりしてるな〜って思った瞬間にガツンとくる展開があったり。これ、編集者さんがついてないからこそできる、ある種の“呼吸”なんだよね。作者の「これを描きたい!」っていう熱量が、ページの隅々からにじみ出てる感じ。刺さりポイントで言うと、まずはこの“等身大の疾走感”。完璧じゃないからこそ、キャラクターの失敗や戸惑いがすごくリアルに感じられて、こっちも「わかるわかる…!」って共感しちゃうんだ。それから、伏線の回収がめちゃくちゃ気持ちいいんだよ。最初は「これただのネタだよね?」って思ってた小道具が、数十ページ後にめちゃくちゃ重要な意味を持って登場したりして。気づいた時には「ああ!あの時のあれか!!」って一人で叫んでたよ、ホントに。
どんな人に刺さるか…かな? うん、具体的に考えてみよう。
まず、「完成された王道ストーリーもいいけど、たまには“作り手の手垢”がついてる感じがする作品が読みたい」って人にドンピシャだと思う。全てが計算し尽くされて磨き上げられた宝石も素敵だけど、これは川原で見つけた、形は不規則だけどどこか温かみのある石、みたいな。あと、ネット発のコンテンツとかインディーズゲームが好きな人もハマる気がする。だって、同じ“個人の作りたいものを作る”エネルギーを感じるから。例えば、有名じゃないバンドのライブで、演奏はちょっと粗いけど、客席と一体になって盛り上がるあの熱気が好きな人。あの感覚に近いかもしれない。
それから、意外かもだけど「凝り固まったジャンル分けに飽きちゃった人」にもおすすめ。だってこれ、ジャンルが“なし”なんだよ? ラブコメの要素もあれば、ちょっとしたサスペンスもあって、ふとした瞬間に哲学的なセリフがポロッと出てきたりする。だから、「今日は純粋な推理モノが読みたい!」っていう明確な欲求がある時よりは、「何か新鮮なものに触れたいな」ってぼんやり思ってる時の方が、むしろしっくりくるかも。
注意点もあるよ、もちろん。まず、最初からプロの商業作品のような“完成された美しさ”や“滑らかなストーリー運び”を求める人には、物足りなさを感じるかもしれない。絵にも物語にも、ちょっとした“凸凹”や“寄り道”があるからね。それから、全てが明確に説明されるのが好きな人も、少しモヤっとするかも。この作品は、読者にある程度の想像力や、曖昧なものを楽しむ余白を要求してくる気がするんだ。例えば、キャラクターの背景が全て語られるわけじゃなくて、セリフの端々や仕草から自分で推し量っていく楽しみ方がある。それが「気になる!もっと知りたい!」ってワクワクに繋がる人もいれば、「はっきりしてよ〜」ってなる人もいるよね。そういう意味では、とても“対話的”な作品だと思う。受け身で読むんじゃなくて、自分から能動的に世界に踏み込んでいく感じ。
…って、ずいぶん熱く語っちゃったね。要するに、『cid=d_728786』は、全てが不明瞭なまま届けられた、ひとつの“体験”なんだ。タイトルも作者もわからないからこそ、作品そのものと純粋に向き合える、ちょっと特別な時間。もしあなたが、整えられすぎたものより、少しざらついた手触りと、そこから湧き出る熱に心を動かされるタイプなら、ぜひこの無名の冒険に飛び込んでみてほしい。案外、あなたの大切な“推し作品”の候補が、名もなきまま、ここに転がってるかもしれないよ。



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