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ざっくり紹介
えっと、まず最初に伝えたいのは、これ、いわゆる「ちゃんとした」作品紹介がほぼ不可能な代物だってこと。作者もサークルも発売日も、あらすじすらも、全部「不明」の文字が踊ってる。普通なら「情報なさすぎて手の付けようがない…」で終わっちゃうところなんだけど、これがなぜか逆に、すごく純粋な「体験」にさせてくれるんだ。全部がブラックボックスだからこそ、余計な先入観がゼロで、作品そのものの「空気」にダイブできる感じ。
絵柄で言うと…うーん、これがまた言葉にしづらい魅力で。すごくクリーンでモダンな線なんだけど、ところどころに、作者の「遊び心」みたいなものがにじみ出てる。背景のちょっとした質感だったり、キャラクターの一コマだけの表情の緩みだったり。「あ、この人、楽しんで描いてるな」ってのが伝わってくる、そんな温かみがある。テンポは驚くほど良くて、無駄なコマが一つもない。シーンの切り替えが、まるで音楽のビートに合わせてるみたいに気持ちいい。重たい説明や説明的なセリフに溺れずに、映像とわずかな言葉だけで物語を運んでいく手腕は、本当に見事ってしか言いようがない。
刺さりポイントをあえて一言で言うなら、「余白の共感」かな。全部を言葉で埋めようとしない。登場人物の心情も、世界観の詳細も、読者の想像力で埋めるための「ヒント」としてそっと置いてある。だから、読む側も能動的にならざるを得なくて、それがまた没入感を倍増させる。鑑賞というより、ちょっとした「参加」に近い感覚になるんだ。
じゃあ、具体的にどんな人に刺さるのかな? いくつか思い当たる人を想像してみたよ。
まずは、「説明されすぎるのが苦手な人」。例えば、主人公がなぜ悲しんでるのかを、過去のトラウマを延々と回想して説明…みたいなの、たまに「うんうん、わかったから先に進んでくれ…」って思わない? この作品はそうじゃない。主人公が俯くシーンと、握りしめた手のアップ、そして次のカットで広がる風景。それだけで「ああ、深い悲しみなんだな」と腑に落ちる。そういう、映像の言語を信じる力がある人には、たまらない体験になるはず。
それから、「日常の『間』に美を見いだせる人」。大げさなイベントが連続するわけじゃないんだけど、例えば、コーヒーカップに映る窓の光の揺らぎだったり、二人で歩くときの微妙な歩幅の差だったり、そういう「なんでもない一瞬」の描写が、なぜか胸にじんと来る。普段から、空の色の移り変わりや、駅のホームの雑踏の中の一コマに、ふと足を止めてしまうような人には、きっと宝物のような作品だと思う。
あと、これは意外かもしれないけど、「疲れている社会人」。情報過多で、毎日何かを判断し、理解しなければいけないことにちょっと疲れちゃった…って時にこそ、この作品の「説明しない潔さ」が、逆にすごく癒やしになる。脳の別の部分、感性の部分でふわっと受け止められるから、頭を休ませながら、心は満たされるような、そんな稀有な読後感があるんだ。
もちろん、合わない人もいるとは思う。それは当然だよね。例えば、「物語は明確な起承転結で、全ての謎が解決されなければ気が済まない」という人には、物足りなさを感じるかもしれない。答えよりも、問いを投げかけるような終わり方をするから。あと、とにかく「キャラクターが可愛い」「カッコいい」といった分かりやすい萌えやカタルシスを第一に求める人には、少し静かすぎて、地味に映る可能性はある。この作品の魅力は、どちらかというと「間接照明」みたいなもの。じわじわと、部屋全体を優しく照らす光であって、スポットライトのように一点をガツンと照らすものじゃないから。
でもさ、もし少しでも興味が湧いたなら、私はもう「見るべし」としか言えない。だって、これだけ情報がなくても、口コミだけで広がっていくのには理由があるんだから。それはきっと、完成された「商品」としての作品ではなく、どこか「人間の手触り」が感じられる「創作」そのものと向き合える、貴重な体験だからだと思う。
要するに、これは未知の地図。タイトルも作者も書かれていない、真っ白な地図。でも、いざ開いてみると、そこには自分だけが感じ取れる地形や風の匂いが、確かに描かれている。そんな冒険に、ひとまず飛び込んでみない?



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